ichou1のブログ

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日銀のEFT買い入れを可視化してみる(2020年4月末までのデータ)

日銀が公開している情報をもとに、2020年4月末までのETF買い入れ額の累計を計算してみる。

対象は、以下2つ。

  • 設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF
  • 上記以外のETF

データは「InfluxDB」に登録した。

> select sum(amount_bil) from etf_kai where time <= '2020-04-30T14:59:59Z'
name: etf_kai
time                 sum
----                 ---
1970-01-01T00:00:00Z 321073

where句に関する補足。日本時間はUTC+9なので、23時59分59秒からマイナス9時間したものを使っている

累計額は「32兆1073億円」
f:id:ichou1:20200505121238p:plain



2020年に入ってからの分は「3兆8036億円」となっている。

> select sum(amount_bil) from etf_kai where time > '2020-01-01T09:00:00Z'

name: etf_kai
time                           sum
----                           ---
2020-01-01T09:00:00.000000001Z 38036


日銀は3月に開いた金融政策決定会合で、ETF買い入れの一段の積極化を決定。
保有残高をそれまでの年間約6兆円増加させるペースから、「年間約12兆円に相当する残高増加ペースを上限に、積極的な買い入れを行う」ことを決定した。

これに伴い、買い入れ額が大きく変動する可能性があるため、これまで金額で示していた買い入れ額の配分の表示を比率に変更。
TOPIXに連動するETFを約75%とし、TOPIX、日経225、JPX日経400の3指数に連動するETFを約25%とした。

引用元:日銀ETF買い入れ、市中流通残高に応じた購入に変更-5月から - Bloomberg

年間の上限枠を「12兆円」とすると、残り「8兆円」の買い入れ枠が残ることになる。

日銀ETF買い入れと日経平均株価の関係。
f:id:ichou1:20200505123141p:plain


現在年80兆円としている国債の購入額のめどを撤廃し、必要な量を制限なく買えるようにするほか、コマーシャルペーパー(CP)や社債の購入限度額を倍増する方向で議論する。
現行のマイナス0.1%の短期政策金利と「ゼロ%程度」の長期金利目標は維持するという。

引用元:日銀、無制限の国債購入とCP・社債購入倍増を議論へ-報道 - Bloomberg

日銀による国債買い入れの上限も撤廃される。


1人当たり10万円の一律給付を実施するのに伴い、歳出は8兆8857億円増えて総額25兆6914億円になる。
全国民一律10万円の給付に必要な費用は12兆8803億円で、当初計上していた生活困窮世帯向け給付分4兆206億円を取りやめるため、差額分がおおむね上積み分に相当する。
追加歳出により不足する財源は全額赤字国債の追加発行で賄う。
財務省国債増発に伴い、20年度国債発行計画のうち入札を通じたカレンダーベース市中発行額を5兆8000億円増の152兆8000億円に修正する。

引用元:新型コロナ補正予算案を決定、一律10万円給付で追加歳出8.9兆円 - Bloomberg

全国民一律10万円給付の政府財源は国債、発行した国債は日銀が"無制限"で購入する。


日銀は2020年4月27、28日の予定だった金融政策決定会合について、参加者の感染リスクを下げるために27日午前のみに短縮して開催した。
会合後の記者会見で、黒田東彦総裁は「長期金利を0%程度で安定させるため、(国債を)必要なだけいくらでも買う」と宣言して、市場に国債があふれて金利が上昇するのではないかというマーケット関係者の懸念を払拭しようと努めた。

引用元:コロナ対策に日銀も動いた 「国債買い入れ枠」撤廃で未知の領域へ: J-CAST ニュース【全文表示】

今のところ、日銀の思惑どおり、金利上昇は抑えられている。
10年国債の利回りは、3月20日に「0.06」%まで上昇したが、5月1日引値で「-0.03」%まで下げている。

日本国債(10年) 分析 - GTJPY10Y - Bloomberg Markets